2009/10/01

悪魔が囁く教会| Book No.201-1

文庫判・272
200910月発売(Book No. 201-1)

出版社 / カテゴリー:
集英社文庫 / 15 長谷川美枝子+向井弁護士シリーズ

帯キャッチ:
私はだまされない! 結婚詐欺師か凶悪殺人者か 逆転の心理ミステリー

あらすじ:
◎最初の結婚も二度目の結婚も夫がDV男。ひとりは肉体的暴力で、もうひとりは精神的暴力。二度ともさんざんな結婚生活で、どちらも二年もたずに別れたが、多額の慰謝料と北鎌倉の一軒家を得た戸山いずみは、懲りずに三度目の結婚を前提に、二人の男と交際しはじめた。

◎たがいに会社の同僚であるふたりの男は、美貌のいずみへ甘い言葉を囁く一方で、競争相手を「人殺し」「結婚詐欺師」などと口汚く罵った。

◎事実、ひとりの男はカッとなると見境がなくなるほどの凶暴性を発揮し、過去に女を殺していた。もうひとりは結婚詐欺で女をだますことに快感をおぼえ、ついにひとりの女性を自殺にまで追い込んでいた。

◎どちらの男を選んでも最悪の運命が待ち受けているというのに、いずみは三たび教会で愛を誓うべき相手はどちらが正解かと悩みはじめた。

◎そして彼女が選んだ悩み相談の相手は弁護士の向井明。前夫との離婚訴訟が泥沼に陥ったとき、いずみは代理人に向井を立てて、みごと勝訴した。だから彼を頼ってきたのだが、向井が美人に弱いことを知っている恋人のノンフィクションライター長谷川美枝子は、心配になって北鎌倉のいずみ宅までついてきた。

◎そこで向井と美枝子は、いずみの人生相談に乗りだしたが、候補者のどちらを選ぶのが賢明かと迷っているうちに、想定外の殺人が起きた! 驚愕の結末が襲いかかる心理ミステリー。

ミニ解説:
▽ このコンビも早いもので4作目。キャラクターのイメージもしっかり定着してきました。いわゆる「シリーズもの」の仲間入りを、これで完全に果たしたという感じですね。

▽ ラスト近くで向井弁護士が真相に気づく、そのきっかけが作者としては、なかなかにお気に入りです。

クレジット:
装幀・松沢順一郎
編集担当・伊藤木綿子