2010/04/01

卑弥呼の赤い罠| Book No.206-1

文庫判・256
201004月発売(Book No.206-1)

出版社 / カテゴリー:
集英社文庫 / 18 歴史ミステリー

帯キャッチ:
あまりにも過激な邪馬台国論! それが老学者の生命を奪ったのか?

あらすじ:
◎私が死ねばよいと思っている人間が七人いる——その言葉を残し、老古代史学者の新藤英二郎は死んだ。復元した甕棺(かめかん)の中で「女王・卑弥呼」の再現衣装をまとい、顔を朱に塗られて!

◎「古事記」や「日本書紀」が中国語の構文で書かれているところから、新藤は邪馬台国の存在場所について独自の推理を展開し、さらに、多くの学者が表立っては口にしない、日本人の成り立ちや天皇の系譜についての疑問を持ち合わせていた。

◎その個性的な思想ゆえに、右翼だけでなく左翼主義者からも脅迫を受けていた新藤は、生命のリスクを冒してまで必死に古代史の真実を突きつめようとする中で、決して歴代天皇の古墳にさわらせようとしない宮内庁の姿勢にも、大きな虚しさを感じていた。

◎そんな新藤が殺された。教え子である歴史研究会のメンバー村野杏美(あみ)は、仲間の先輩学生たちとともに、恩師・新藤と巡った対馬・壱岐・吉野ヶ里など北九州古代史の旅をふり返りながら、その死の謎に挑戦する!

ミニ解説:
▽ 日本人とは何か。天皇に関して一元的なものの見方でよいのか。「古事記」や「日本神話」から読み取れる邪馬台国、卑弥呼、神武東征の真実等々、読者のみなさんご自身の推理を楽しめる歴史ミステリーです。

クレジット:
装幀・松沢順一郎
編集担当・伊藤木綿子