新書版
2010年07月発売(Book No.209-1)
出版社 / カテゴリー:
JOY NOVELS(実業之日本社) / 03 温泉殺人事件シリーズ
帯キャッチ:
かすかに甦る殺人の記憶 しかし、死体がない! 記憶障害に苦しむ男は犯人か、無罪か?
あらすじ:
◎志垣警部の高校時代の大先輩である戸部光晴の息子・修太は、三十歳のエリート社員。三週間後に上司の娘との結婚を控えていた。
◎だが修太は二年前にビル建設現場の崩落事故に巻き込まれ、頭部を負傷。その後遺症で、ときどき記憶の途切れることがあった。
◎その修太が大変なことを言い出したと、父親の戸部から相談を受けた志垣は、本人に直接話を聞いた。すると「九州の黒川温泉で女を殺したような気がする」と衝撃の告白!
◎その女とは、上司の娘との結婚話がまとまる前からつきあっており、妊娠を告げられたために精神的に追いつめられ、殺してしまったという。だが、殺害の記憶はきわめてあいまいで、自分でも確信が持てないと修太は頼りなげにつぶやいた。
◎この事態を受けて父親は、警視庁捜査一課の警部である志垣をいまだに「高校の後輩」扱いして、まるで個人で雇った私立探偵のように、息子の言い分の真偽を調査するために黒川温泉へ行ってくれと頼んできた。
◎殺害の証拠もない段階でそれはできませんと志垣が断ると、戸部は息子を連れて自ら九州の黒川温泉へ飛ぶことに決めた。殺害の記憶が事実か妄想か、それをハッキリさせるために。
◎ところがちょうど同じころ、意外な場所で女の死体が見つかった。そして、死体の手に握られた携帯電話の待ち受け画面には、修太の笑顔が!
◎やはり犯人は修太だったのか? それとも……。
◎事件の背景にあったのは、恋したことのある人間なら必ず理解できる、男と女の哀しい心理だった。
ミニ解説:
▽ これは私が青春時代に聞いたあるヒット曲のタイトルがヒントになりました。もしも殺された彼女と同じ状況に、読者のあなたが直面したら……おそらく彼女と同じように心を動かされてしまうかもしれません。
クレジット:
装幀・加藤岳
カバー挿画・片岡鶴太郎
編集担当・加古淑