2011/01/01

青荷温泉殺人事件|Book No.207-1

新書版・352
201101月発売(Book No.214-1)

出版社 / カテゴリー:
JOY NOVELS(実業之日本社) / 03 温泉殺人事件シリーズ

帯キャッチ:
巨大な雪だるまから美女の死体が出てきた! ランプの秘湯、真冬の惨劇

あらすじ:
◎嵐山温泉の事件を機に、志垣警部らと懇意になった三島のおばちゃん野中貞子は、志垣の姪・千代との結婚が成就しなかった和久井のために、新たな見合いを企画した。

◎相手の名前は愛沢雪子。沼津のデパートのメガネ売り場に勤めるメガネ美女だが、和久井はまったく乗ってこない。すっかり結婚不信症に陥っていたからである。

◎ところが後見人を引き受けようとする志垣は、見合いの実現に懸命だった。なぜか相手が、見合いの場所に、志垣がかねてより行きたいと思っていた冬の青荷温泉を指定したからである。

◎業務用の自家発電以外は一切電気が使えず、テレビも見られないし、携帯の電波も飛ばない。しかも雪に閉ざされた冬場は、宿の送迎バス以外にそこへ到達する手段はない。正真正銘のランプの秘湯だった。

◎志垣がホッとしたことに、気乗り薄だった和久井が、雪子の写真を見て態度を一変させた。あまりにも美しく、そして笑顔の輝きがすてきな人だったからだ。

◎かくして二月、和久井、志垣、野中貞子の三人は東北新幹線に乗り、開業したばかりの新青森駅を経由して見合いの舞台、青荷温泉へ向かった。現地は猛烈な吹雪に見舞われていたが、それもまた旅のあじわいと、志垣は和久井以上にウキウキ気分である。

◎しかもその夜、青荷温泉の宿でおちあった雪子は、写真以上に魅力的な女性だった。和久井は、こんどこそ自分に結婚運が回ってきたと大喜び。翌日、彼女に伝えるべき返事は決まっていた。ところが——

◎未明、宿の前に巨大な雪だるまが突然出現した。その一部は氷イチゴのように赤く染まっていた。それを割ってみると、見合い相手・愛沢雪子の全裸惨殺体が転がり出た!


ミニ解説:
▽ ランプの宿といえば『ランプの秘湯殺人事件』で宮城県の湯ノ倉温泉「湯栄館」を舞台に描きましたが、湯栄館は残念ながら災害で復旧不能に。

▽ こちら青荷温泉も電気がきていない純粋な「ランプの宿」です。しかも冬場の秘湯度は抜群! そこで展開する和久井刑事第2のお見合い。

▽ せっかく結婚する気になった和久井には申し訳ないのですが…事件は起きてしまいました。

クレジット:
編集担当・加古淑