新書版・288頁
2011年02月発売(Book No.215-1)
出版社 / カテゴリー:
ワニブックス【PLUS】新書 / 35 ノンフィクション
帯キャッチ:
ミステリー作家が迫る「異様」な事件の真相と裁判・判決の問題点
あらすじ:
◎2010年11月1日、東京地裁で「耳かき小町殺人事件」の判決が読み上げられた。判決は無期懲役。山本耳かき店・秋葉原総本店に勤める「まりな」が、上得意からストーカーへと変身した加害者に、自宅で祖母とともにメッタ刺しにされて一カ月後に死亡した事件である。
◎2009年8月3日に起きたこの異様な事件。被害者は事前に惨劇を防げなかったのか。加害者もまた、自らを殺人鬼に貶めることを回避できなかったのか。そして裁判員裁判で下された無期懲役という判決は妥当なものだったのか。
◎被害者まりなは、事件の真相に迫るブログを書き残していた。それは事件の1年5カ月前にはじめたもので、そこには店の常連からもらったメールに対する「コメント返し」が定期的にアップされていた。
◎問題の「よしかわサン」の名前がまりなのブログに登場したのが2008年3月24日。
初コメントありがとうございます!!
もしもまたわからなくなったらいつでも教えますよぉ♪
こちらこそいつも楽しいお話ありがとうございますっ(*UωU*)
◎そして3月30日の「よしかわサン」へのコメントにはこんな一節が。
よしかわサンのお話いつも楽しいから時間があっという間に終わっちゃいますよっ!!
◎いったい誰が予測できるだろう。翌年の8月に、この「よしかわサン」がまりなを惨殺する展開を……。しかし、まりなのブログには、刻々と「よしかわサン」こと林貢二に追いつめられ、精神的にパニック状態に陥っていく様子が記されていた。
◎惨劇の33時間前までつづけられていた「まりなのブログ」と、WEB産経に掲載された法廷ライブから、この事件の本質と裁判員裁判が抱える大きな問題をえぐりだす。
ミニ解説:
▽ 率直に言おう。加害者への厳罰要求を批判する人間は、殺人という罪に対するモラルが希薄なのだ。
クレジット:
装幀・スタジオ・ギブ 小栗山雄司
編集担当・佐藤俊彦